高圧電気室で使用されるトランス(変圧器)には、主に以下の3種類があります。
油入変圧器
絶縁性と冷却性に優れた絶縁油で満たされた容器に鉄芯と巻芯が入っており、広く普及しているタイプです。価格が安く、耐過負荷性能に優れていますが、火災のリスクがあるため、安全面での配慮が必要です。
モールド変圧器
絶縁体に樹脂または樹脂を含んだ基材が使われており、火事のリスクを減らすことができます。省スペースで点検も容易ですが、耐過負荷性能が油入変圧器よりも低く、駆動音が大きいというデメリットがあります。
ガス絶縁変圧器
不活性ガスを絶縁媒体として使用し、不燃性、絶縁効果、安全性が高いです。消火設備や防災設備が省略できるため、検査や保守の手間を減らせますが、コストは高くなる可能性があります。
これらのトランスは、設置場所や使用条件に応じて選定されます。例えば、容量が300kVA以下の場合はPF・S形の採用がコスト面で良好であり、300kVAを超える場合はCB型を選定する必要があります。
適切なトランスの選定は、安全性、信頼性、経済性を考慮して行われるべきです。
変圧器の選定のポイント
変圧器を選定する際には、いくつかの重要なポイントがあります。以下の要素を考慮して選定することが推奨されます。
電圧変動
変圧器の容量は、電圧変動を最小限に抑えるために適切に選ばれる必要があります。
負荷の変動 – 負荷のピーク時や低下時の変動を考慮し、それに耐えうる変圧器を選ぶことが大切です。
将来の設備計画
将来的な設備の拡張や変更に対応できるよう、余裕を持った容量の変圧器を選定することが望ましいです。
また、以下のような技術的な側面も考慮する必要があります。
絶縁
変圧器の絶縁レベルが、使用環境に適しているかを確認します。
大きさ
設置スペースに合わせて、適切なサイズの変圧器を選ぶ必要があります。
特性
効率や損失、冷却方式などの特性を考慮して選定します。
電路の接地 – 電路の接地方式に適合した変圧器を選ぶことが重要です。
事故時の影響 – 変圧器が故障した場合の影響を考慮し、適切な保護機能を持つ変圧器を選定します。
これらのポイントを踏まえ、変圧器の選定は、設置環境、使用条件、安全性、信頼性、経済性を総合的に考慮して行うことが重要です。ご参考になれば幸いです。